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2021年07月26日(月)

堀底散歩 一服の涼を求めて

ここは、阿弥陀寺から侵入して二の丸へ向かう途中、右手に本丸を見上げるお堀の中の遊歩道である。城跡内でも特に圧巻の法面が両脇に迫る、。小心者の小生にはここを乗り越えて本丸に侵入しようとは全く思えない。ましてや、我々額田城跡保存会メンバーといえども、この法面の草刈りは拒絶を見る。難攻不落のお堀なのである。
本丸とお堀との高低差は実に6メートルにも達する。先人たちは、これを本当に人力で作ったのか?。現在の重機をもってしても、数カ月はかかるだろう。いや、無理かもしれない。なぜなら重機が侵入する場所がそもそも無いのである。当時の人足や財力に敬服を評し、遠く思いを馳せる。
早朝の散歩には多少湿気がある。お堀の斜面からにょきにょきと天に向かって、直径30センチ級のスギの大木達が、前日数百キロリットルの水を吸い上げたであろう。これが早朝にお堀の複雑な形状に相まって多数の樹木から湿度飽和状態となり周辺に水蒸気を発生させる。その水が更にお堀の草木に降り注がれ、常にうっそうとした状況を形成している。盛夏朝、この中を小風とともに散歩が実に心地よい。途中で発見したペットボトルゴミに興ざめして現実に戻り、回収して帰路に着いた。
寄稿 額田城跡保存会 副会長 関 勝徳

額田城跡の遊歩道には、幾重にも掘られた堀の底部を歩ける部分があります。
お越しの際はぜひ「堀底散歩」をお楽しみ下さい。